SDGsとは?

SDGsって?
テレビや雑誌、電車やバスの広告など、日常生活の中で目にすることが多くなった「SDGs」
電通の第5回「SDGsに関する生活者調査」によると、SDGsの認知率は86.0%と高く、このうち、「内容まで理解している」という回答は、前回の調査(2021年1月)から約1.5倍にあたる34.2%まで数値が上昇しています。
徐々に数値は上昇し、認知している人の割合は増えていますが、内容を理解しているという人はまだまだ少ないのが現状です。
そこで今回はそんなSDGsの概要について取り上げていきます。
誰一人取り残さないために〜SDGs誕生の背景〜
SDGs(Sustainable Development Goals):持続可能な開発目標とは、2001年に策定されたMDGs(Millennium Development Goals):ミレニアム開発目標の後継として発表されたものです。
2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に記載され、2030年までに持続可能でよりよい世界を目指そうという国際目標が掲げられています。
17の目標と169のターゲットから構成されており、地球上の「誰一人取り残さない(leave no one behind)」ことを誓っているものです。MDGsは発展途上国の開発を目的にしていましたが、SDGsは発展途上国のみならず、先進国自身が取り組む普遍的なものとして掲げられ、各国でさまざまな取り組みが行われています。
MDGsとは?
SDGsの前身となるMDGsとは、どのようなものなのでしょうか。
これは、2000年9月にニューヨークで開催された国連ミレニアム・サミットで、参加した189の国によって採択された国連ミレニアム宣言を基にまとめられた目標です。
MDGs制定の背景には、発展途上国の貧困の悪化があります。
貧困問題が深刻になる中で、直接的に貧困問題に対してどのように対応すべきか、国際社会の関心が高まっていました。1995年に開催された世界社会開発サミットでは、「人間中心の社会開発」を目指し、世界の絶対的貧困を半減させるという具体的な目標が提示されました。
こうした流れを受け、2001年にMDGsが誕生します。
MDGsでは以下の8項目が目標として掲げられました。
目標1:極度の貧困と飢餓の撲滅
目標2:初等教育の完全普及の達成
目標3:ジェンダー平等推進と女性の地位向上
目標4:乳幼児死亡率の削減
目標5:妊産婦の健康の改善
目標6:HIV/エイズ、マラリア、その他の疾病の蔓延の防止
目標7:環境の持続可能性確保
目標8:開発のためのグローバルなパートナーシップの推進
MDGs達成に向けて日本政府もさまざまな取り組みを行ってきました。
MDGsからSDGsへ
MDGsは2015年に期限を迎え、極度の貧困に苦しむ人々の割合は、1990年には世界人口の訳36%(約19億人)を占めていましたが、2015年には約12%(約8.4億人)と当初の1/3にまで減少するという成果が得られました。
多くの成果が得られた一方で、さまざまな課題も浮き彫りになりました。
そこで、MDGsからバトンを受け継ぐような形で生まれたのがSDGsです。
SDGsを構成する17の目標

2015年に発表されたSDGsは、17の目標と169のターゲットで構成され、8つの目標で構成されていたMDGsよりも目標が幅広くなっていることがわかります。
17の目標は以下の通りです。
目標1:貧困をなくそう
目標2:飢餓をゼロに
目標3:すべての人に健康と福祉を
目標4:質の高い教育をみんなに
目標5:ジェンダー平等を実現しよう
目標6:安全な水とトイレを世界中に
目標7:エネルギーをみんなにそしてクリーンに
目標8:働きがいも 経済成長も
目標9:産業と技術革新の基盤をつくろう
目標10:人や国の不平等をなくそう
目標11:住み続けられるまちづくりを
目標12:つくる責任 つかう責任
目標13:気候変動に具体的な対策を
目標14:海の豊かさを守ろう
目標15:陸の豊かさも守ろう
目標16:平和と公正をすべての人に
目標17:パートナーシップで目標を達成しよう
2015年に発表されてから今年で8年。
2030年に期限を迎えるSDGsは、発展途上国に限らず「誰一人取り残さない(leave no one behind)」という地球全体で取り組むべき目標とされ、各国はその達成に向けてさまざまな取り組みを行っています。
目標期限が折り返しを迎え、現在の日本の目標の達成状況はどのようになっているのでしょうか。
日本の達成状況は?
2022年6月に持続可能な開発ソリューション・ネットワーク(SDSN)が発表した報告書によると、日本のSDGs達成度は163カ国中19位であり、2021年が18位(165カ国中)だったところから比較すると1ランク下がった結果となりました。
下記は達成に向けて大きな課題が残っている、と評価された項目です。
■目標5:ジェンダー平等を実現しよう
・国会で女性が占める議席
・男女間の賃金格差
■目標12:つくる責任 つかう責任
・電子廃棄物
・プラスチック廃棄物の輸出
■目標13:気候変動に具体的な対策を
・化石燃料の燃焼とセメント生産によるCO₂排出量
・輸入に伴うCO₂排出量
・EUR60/tCO₂ での炭素価格スコア
■目標14:海の豊かさを守ろう
・海洋健康指数: きれいな水のスコア
・乱獲または崩壊した資源から捕獲された魚の割合
・輸入品に組み込まれた海洋生物多様性の脅威
■目標15:陸の豊かさも守ろう
・生物多様性にとって重要な淡水域で保護されている平均面積
・レッドリスト種の生存指数
・輸入品に具体化された陸生および淡水の生物多様性の脅威
■目標17:パートナーシップで目標を達成しよう
・高所得国およびすべての OECD DAC 加盟国: 政府開発援助を含む国際的な譲許的公的金融(国民総所得に占める政府開発援助の額)
おわりに
徐々に認知率が高まっているSDGs。
2030年の期限に向けて、目標達成のために具体的にどのようなアクションができるのか。
そんなことを1人ひとり考えながら、自分ごととして取り組んでいければと思います。
具体的な取り組みについても今後取り上げていきますので、お楽しみに。
株式会社ゆいまーるでは、引き続きSDGs達成に向けた活動を行ってまいります。